2021年02月12日

『翻訳できない世界のことば』

『翻訳できない世界のことば』という本をご存知でしょうか?

原書:https://ellafrancessanders.com/lost-in-translation
日本語版:https://www.sogensha.co.jp/special/honyaku/index.html

たった一言なのに、他言語に訳そうとするといい言葉が見つからない。
どうしても説明文のように訳語が長くなってしまう。
翻訳の過程ではそのような場面が多々あります。

本書は、イギリス人イラストレーターである著者が
世界中からこういった言葉を集め
自身のイラストと解説とともに紹介をしたものです。

例えば、日本でよく使われる「積ん読(つんどく)」という言葉。

本書では

”Leaving a book unread after buying it, typically piled up together with other unread books”
(積ん読。買ってきた本をほかのまだ読んでいない本といっしょに、読まずに積んでおくこと)

と紹介されています。

個人的に面白いなと思ったものは、フィンランド語の”PORONKUSEMA”です。

「トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離」

という意味だそうで、その距離は約7.5kmとのこと。

ざっくりとした距離ですが
トナカイのいるところではよく使われていると思うと
その言葉の先に広がる人々の生活や文化に思いを馳せることができて
とても面白いですね。

最近は機械翻訳も使われるようになって来ましたが
こういった言葉の翻訳はなかなか難しいのではないでしょうか。

改めて翻訳は、単なる言葉の置き換えではなく
その言葉に含まれるさまざまな情報を汲み取って
ふさわしい訳語が何なのか探っていくものなのだなと思いました。

他にもいろいろ面白い言葉がありましたので
もしよかったらご覧になってみてください。

エラ・フランシス・サンダース著 『翻訳できない世界のことば』:
https://www.sogensha.co.jp/special/honyaku/index.html

著者のホームページ:
https://ellafrancessanders.com/
posted by Globalive at 17:38| Comment(0) | ツール操作ヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする